分譲マンションを購入する際には、管理費用と修繕積立金がいくらかは、住宅ローン支払いとともに気になる事だろう。

マンション管理費は、管理の基本的な業務である清掃(主に共用部)・設備管理・管理員業務・事務的な(金銭など)管理業務などの対価である。そのほか、大規模なマンションなどでは、コンシェルジュ業務・棟内ジムなど付帯サービスもついても対価を支払うことになる。

一般的には、付帯サービスがよほどデラックスでない限り、タワーマンションのような大規模マンション(=戸数が多い)ほど、管理費は安くなり、戸数の小さな低層マンションの方が、管理費は高い傾向にあると言われている。大きいマンションでも小さいマンションでも共通してかかる経費を多くの住居者で割ればそれだけ安くなると考えられる。しかし、どうもそう簡単に費用を積み上げてそれを戸数で割るという単純なものでもなさそうだ。

(図1)東京23区 総戸数 × 管理費

(図1)東京23区 総戸数 × 管理費

図1は、マンションリサーチ社が保有する東京23区にある分譲マンションデータ(約14,300棟)の管理費用について分析したものだ。縦軸は管理費(平米単価)、横軸はマンションの戸数を取ってある。管理費用は住戸の広さやその他状況により同じマンションでも異なる費用であるが、ここでは平米単価を採用し分析した。

これを見ると、先に述べた規模の大小と費用の高低はあまり関係がなさそうだ。(R2=0.0035)

詳細に見てみると、戸数の少ない小規模低層マンションでは、平米単価250円~350円あたりに集中しているのがわかる。これは、標準的な3LDKの間取りである80平米であると、20,000円~28,000円ということになる。

以前、本連載で東京23区の分譲マンションの平均戸数は50戸強だと述べたが、そのクラスのマンションであると150円~250円が多く、同サイズなら12,000円~20,000円ということになる。なんとなく考える管理費用のイメージに近い。

一方、数百を超える規模のマンションになると千差万別だ。100円台の安いマンションもあれば、500円を超えるマンションもある。同サイズであるなら、100円で8,000円、500円なら40,000円、最高額の平米単価約950円ならば、76,000円もする。9倍以上も違うのだ。毎月かかる費用なので、ローン支払いと同様に気にしたいところだ。

(図2)東京23区 建築年 × 管理費

(図2)東京23区 建築年 × 管理費

一方、図2は築年と管理費用の関係を見たのが図2だ。縦軸には図1と同様に管理費用平米単価で、横軸は築年(右に行くほど最近)だ。

これを見ると、突出して高い時期がある。バブル期に建築されたマンション、そしてバブル期に計画されバブル崩壊(1990~1)後に売られたマンションの管理費だ。この時代、マンションの分譲価格だけでなく、共有部施設がデラックスなマンションも多かったため維持管理費用がかかり、マンション管理費用が高いのだろう。

もう一つ注目したいのが1990年代後半にある窪みだ。このころは、バブル期の逆で安い。金融機関の倒産合併が相次ぎ、マンションの売れ行きが厳しかったこの頃、管理費を抑えることで購入者の負担を少しでも軽く見せたかったのだろうか。

分譲マンションの管理費用は、こうしたゆがみがあることが見えてくる。

吉崎 誠二氏
吉崎 誠二氏
  不動産エコノミスト 社団法人 住宅・不動産研究所 理事長   不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションを行う傍ら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ 主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

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