都心の中古マンションの値上がりが顕著なためか、週刊誌などでは「そろそろ不動産暴落か?」や「マンション価格はいまがピークか?」といったネガティブな記事が踊っている。

私のところにも、何誌もの週刊誌記者が訪れ、「いつごろ、値下がりしますかね~」という質問をされる。彼ら(彼女ら)は明らかに、専門家である私に「そろそろ、下がると思いますよ」という回答を期待しているかのような聞き方だ。

確かに、東京オリンピックが開催される2020年直後、もしくはその1年前頃に東京都区部全域のマンション価格はピークを迎えると予想する。そして、その後は、全体的に見れば価格下落基調が続くであろう。

日本の人口減少が続き、それは1995年ごろから続く、かなりの数の東京都区部(あるいは横浜川崎などを含めた周辺部)への人口流入に歯止めがかかることになるだろう。そうすると、現在のようなマンションの一次取得者需要が減ることが確実だ。このように東京オリンピック開催前後で全体のマンション価格はピークアウトする。

しかし、東京都区部全体が一律的にそうなるか?というと、おそらくそうはならないだろう。

むしろ価格が上がるエリアもあれば、一気に下がるエリアもあるだろう。

それは、図1を見れば明らかだ。

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いつものように、マンションリサーチ社の保有する東京23区の2014年12月末時点販売物件の中古マンション価格の区別のデータを、築年数ごとに並べてみたものだ。

これをみると、一目瞭然で、経年とともに値下がりするところ(物件)もあれば、そうでないところもある。港区や千代田区など古くから(江戸時代の大名や侍が住んでいた)の高級エリアに立つ希少価値高いマンションなどは値段が下がっていない。

一方、今は人気がある湾岸エリアの物件のリセールの条件はかなりよくないと思う。

こんなことが起こるかもしれない。

港区の台地に立つマンションと湾岸エリアに立つマンションのある物件。ともに築年数が同じで現在ともに1億円の物件だとして、2022年に売ろうと査定を依頼すると、一方は1億円2000万円、もう一方は6000万円。その差は2倍!

吉崎 誠二氏
吉崎 誠二氏
  不動産エコノミスト 社団法人 住宅・不動産研究所 理事長   不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションを行う傍ら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ 主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

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