都心中心部から西の方向を見れば、遠くに何本ものマンションがそびえ立つ一団が見えます。武蔵小杉のタワーマンション群です。

小さな町工場が並ぶエリアだった武蔵小杉エリアですが、今ではタワーマンションが何棟も建てられ、「住みたい街」の上位にランクインする人気の街に変貌しました。約10年で街が一変し、人口が大幅に増えました。

武蔵小杉駅は東急東横線とJR南武線の交差する駅です。東急目黒線が武蔵小杉駅まで延伸(今は日吉まで延伸)され、そしてJR横須賀線(総武快速線)武蔵小杉駅ができました。JRに乗れば、品川までは2駅、その次が新橋、そして次は東京駅です。電車での通勤がとても便利な場所です。

最近では、急激な人口増、そして都心に通う通勤・通学者の急増により、朝の通勤時間には駅改札が大混雑して中々ホームにいけないという状況になっているようです。

今回はそんな武蔵小杉のエリアのタワーマンションの中古マンション価格について検討してみます。今後も値上がりするのでしょうか。今回もマンションリサーチ社のデータを基に検討して参ります。

注:ここでは、武蔵小杉駅徒歩10分圏内で25階建て以上のマンションを対象にしました。

 

6年で20%の価格上昇

下図は、2013年から2018年(7月まで)の武蔵小杉エリアのタワーマンションの中古マンション価格の推移と同期間同場所の地価公示の推移を重ねたものです。

(図1)武蔵小杉エリア価格推移

青い線は中古マンションの売出し価格の平米単価を示しています。この期間の間に中古マンション売出し平米単価は、79.9万円から95.5万円へ約1.2倍になっています。70㎡換算では約5,600万円→約6,700万円になったことになります。もちろん、この間、新築マンション価格も上昇しています。しかし、価格上昇はここに来てだいぶん落ち着きを見せています。また、中古マンション売出し戸数はここ数年増えてきています。武蔵小杉エリアにタワーマンション建ち始めて10年を超えライフスタイルが変わる方が手放したり、また大分値上がり益が出そうな今を狙って売却しようと考える方が増えているのでしょう。

オレンジ色の線は、地価公示の推移です。マンション価格とほぼ同様の線を描いていましたが、一昨年から2年連続して少しずつ下げています。

売出し価格は2017年に7,000万円を超えましたがその後6,900万円台で落ち着いています。2015年くらいから7,000万円を少し下回るラインで横ばいが続いているという状況です。

 

2025年以降のマンション価格はどうなるのか?

この先にも建築の計画があるようで、まだまだ武蔵小杉エリアのタワーマンションは増えそうです。

中期的にみれば、この先の首都圏のマンション価格は2021年頃から少し下がると思われます。大暴落することは決してありませんが、オリンピック後には少し下がると予想します。

そうすると、都心の中古マンション価格も少し下がるはずです。その流れになると、都心は高いから武蔵小杉エリアへという方が減ると思われます。そんな折に、先に述べたライフサイクル変化に伴う売り出し物件の増加期にさしかかれば、このエリアの中古マンション価格は大きく値を下げると思われます。
同時期に何棟も、1棟当たりの戸数が多い、これら二つは、マンション価格の予測を需給バランスで考えた時には、大きなマイナス要因となります。武蔵小杉エリアのタワーマンションはまさに、この2つがドンピシャで合致しています。
2025年以降、このエリアの中古マンションは大きく値下がりすると予測しています。

吉崎 誠二氏
吉崎 誠二氏
  不動産エコノミスト 社団法人 住宅・不動産研究所 理事長   不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションを行う傍ら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ 主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。