マンションリサーチ総合研究所

マンションリサーチ総合研究所 レジデンスキャップレート調査 第五回調査

2017年5月発表【マンションリサーチ総合研究所 レジデンスキャップレート調査】

調査主体
マンションリサーチ株式会社 代表取締役 山田敏碁
不動産エコノミスト 吉崎誠二 他

調査データ
東京都23区/名古屋市/大阪市/福岡市/札幌市/仙台市/さいたま市/横浜市/京都市/神戸市 売出事例棟データ60,605棟

第五回 レジデンスキャップレート調査

マンションリサーチ総合研究所は、概ね2か月に1度(年6回)の頻度で、レジデンスキャップレートを算出し、試験的に公表致しております。今回の発表は、その第5回目となります。

 第6回公表の対象エリアは東京23区、大阪市、名古屋、福岡市の4大都市部に加えて札幌市、仙台市、さいたま市、横浜市、京都市、神戸市10都市としています。マンション(分譲マンション)に特化した投資利回り水準を試験的に算出し、公開します。

(2017年路線価発表される)

毎年7月になると、路線価が発表されます。2017年分も先日発表されました。
それによると、全国約32万5千地点の標準宅地は前年比で0.4%のプラスで、2年連続で上昇となりました。32年連続で日本一だったのは、銀座にある鳩居堂前は1平方メートルあたりの価格が4032万円だったそうで、1坪に換算すると13000万円を超えます。この数字は1992年バブル崩壊直後の過去最高の3650万円を上回ったと、新聞は報じています。都道府県単位では、13のエリアが上昇しており、その他は横ばいかマイナスで、特に首都圏での上昇が目立ちました。

本調査の算出方法としては、下記のとおりです。

▷ 利回り計算
各マンション毎に持っている”現時点”での「売買平米単価」「賃貸平米単価」を元に(賃貸平米単価の合計値×12) / (売買平米単価の合計値) × 100」で利回りを算出しています。
※ 上位下位3%のマンションは対象として除外

▷ コンパクト/ファミリーの定義(対象/棟数)
コンパクト : 戸の最大平米数が40.00㎡以下のマンション
ファミリー : 戸の最大平米数が40.00㎡を超えるマンション

マンションナビが保有する、現在の分譲マンションの価格(応募価格)と、該当マンションを賃貸として貸し出した時の賃料をもとに算出(※算出方法は後述)する、速報的なキャップレートです。

(調査時点 2017年3月21日)

【第5回 レジデンスキャップレート調査】

レジデンスキャップレート
マンションナビの保有データを使用しております。このデータは応募されている分譲マンションのデータを集計し分析を行い、週1回以上の更新を行っております。マンションナビでは、応募価格と、該当物件の賃料を掲載しております。合わせてご覧ください(https://t23m-navi.jp/)


コンパクト物件(40㎡以下:主に1R,1LDK)

コンパクト物件のキャップレートは、前回に引き続きファミリー物件に比べて地域格差が広がりました。
最も高い札幌市では12.56%、続いて仙台市11.86%、逆に低いのは大阪市6.11%、東京23区6.35%という結果になりました。
今回も大阪市の方が僅かですが、東京23区よりも低いという現象が見られました。東京23区は、前回2017年4月においては、6.39%でしたので、0.04%程度低くなっています。大阪市も同様に、前回が6.22%でしたので、0.11%程度低くなっています。ですので、両都市の差は大きくなりました。名古屋市は、前回8.89%でで、今回は-0.03%となっています。福岡市も、前回が8.31%で、0.12%程度のマイナスとなっています。
このように今回もまた、4大都市圏全てで、レジデンスキャップレートは僅かながらマイナスになってきており、賃料に変化がない前提では、コンパクト物件の価格の上昇基調がまだとまっていないことがうかがえます。


ファミリー物件(40㎡以上)

ファミリー物件のレジデンスキャップレートは、最も高い札幌市で8.39%、最も低い東京23区で5.60%とその差は2%強となり、コンパクト物件の最高値と最低値の差が6.45%ですので、半分以下となっています。ここは注目すべきポイントです。

東京23区のファミリーは5.60%で前回5.63%に比べて、-0.03%。東京23区のファミリーとコンパクト合わせたトータルは5.75%で前回5.78%に比べ-0.03%となっています。
大阪市のファミリーは6.35%で前回6.41%に比べて-0.06%、トータルでは6.31%で前回6.38%に比べて-0.07%となりました。
名古屋市は、6.94%で前回6.97%に比べ-1%、トータルでは7.08%で前回7.11に比べ、-0.8%となりました。
福岡市は6.86%で前回6.94%に比べて-0.08%、トータルでは7.11%で前回7.20%に比べて-0.09%となりました。
このように大都市においては、ファミリー・コンパクトともにキャップレートが軒並み若干マイナスになっており、価格の上昇基調がまだ止まっていないことがうかがえます。この傾向は今しばらく続くと思われます。

※ご注意
なお、本データは、マンションリサーチ社のデータをもとにマンションリサーチ総合研究所が算出しました。また、本データにおける錯誤等の責は負いかねます。
【お問い合わせ先】
マンションリサーチ株式会社
マンションリサーチ総合研究所運営事務局
〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目2番11号 エイム東京九段ビル3階
info@mansionresearch.co.jp

この記事を書いた人

吉崎 誠二
不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産研究所 理事長 
吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。
㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(2016年2月)「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。
公式サイト:http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:http://www.hr-i.jp/


2017年7月14日
レポート