マンションリサーチ総合研究所

マンションリサーチ総合研究所 レジデンスキャップレート調査 第四回調査

2017年4月発表【マンションリサーチ総合研究所 レジデンスキャップレート調査】

調査主体
マンションリサーチ株式会社 代表取締役 山田敏碁
不動産エコノミスト 吉崎誠二 他

調査データ
東京都23区/名古屋市/大阪市/福岡市/札幌市/仙台市/さいたま市/横浜市/京都市/神戸市 売出事例棟データ60,605棟

第四回 レジデンスキャップレート調査

~地価は上昇基調続くが、キャップレートは横ばいか?~

マンションリサーチ総合研究所は、概ね2か月に1度(年6回)の頻度で、レジデンスキャップレートを算出し、試験的に公表致しております。今回の発表は、その第4回目となります。

(2017年地価公示の考察)

2017年3月21日に地価公示が発表されました。
今年の地価公示では、9年ぶりに住宅地(全国)が僅かながらプラスになったことが話題となりました。3大都市圏では2014年以降からプラスになっていましたが(大阪の2014年は僅かにマイナス)、全国での算出でのプラスは不動産市況の盛り上がりをうかがえます。大都市だけでなく、地方中核都市でも市況は活況のようです。
しかし、3大都市の住宅地の価格上昇率はほぼ横ばいで、価格の天井感が見えてきました。また、住宅地においては、約18000の全国住宅地で、上昇地点と下落地点の数を比較すると、なお下落地点が多いことから、価格上昇と下落の二極化が進んでいることが鮮明となっています。

一方、商業地(全国)は、2年連続でプラスとなりました。昨年よりも上昇率は高く、プラス1.4%(前年は0.9%)となりました。三大都市の上昇もさることながら、地方大都市の上昇が目立ちました。

地価公示は「地価公示法」に基づき、国土交通省土地鑑定委員会が標準地を選定し、その土地の1月1日時点の更地状態での評価額を算出します。3月下旬と1月1日では、それほど大きな違いはないと思えますが、しかし価格時点が違うことには留意すべきです。

第4回公表の対象エリアは東京23区、大阪市、名古屋、福岡市の4大都市部に加えて札幌市、仙台市、さいたま市、横浜市、京都市、神戸市10都市としています。
マンション(分譲マンション)に特化した投資利回り水準を試験的に算出し、公開します。

本調査の算出方法としては、下記のとおりです。

▷ 利回り計算
各マンション毎に持っている”現時点”での「売買平米単価」「賃貸平米単価」を元に(賃貸平米単価の合計値×12) / (売買平米単価の合計値) × 100」で利回りを算出しています。
※ 上位下位3%のマンションは対象として除外

▷ コンパクト/ファミリーの定義(対象/棟数)
コンパクト : 戸の最大平米数が40.00㎡以下のマンション
ファミリー : 戸の最大平米数が40.00㎡を超えるマンション

マンションナビが保有する、現在の分譲マンションの価格(応募価格)と、該当マンションを賃貸として貸し出した時の賃料をもとに算出(※算出方法は後述)する、速報的なキャップレートです。

(調査時点 2017年3月21日)

【第4回 レジデンスキャップレート調査】

レジデンスキャップレート
マンションナビの保有データを使用しております。このデータは応募されている分譲マンションのデータを集計し分析を行い、週1回以上の更新を行っております。マンションナビでは、応募価格と、該当物件の賃料を掲載しております。合わせてご覧ください(https://t23m-navi.jp/)


コンパクト物件(40㎡以下:主に1R,1LDK)

コンパクト物件のキャップレートは、ファミリー物件に比べて地域格差が広がりました。最も高い札幌市では12.38%、続いて仙台市12.10%、逆に低いのは大阪市6.22%、東京23区6.39%という結果になりました。今回も大阪市の方が東京23区よりも低いという現象が見られました。東京23区は、前回2017年1月においては、6.18%でしたので、0.2%程度高くなっています。若干、価格が落ち着いてきたと言えるでしょう。大阪市も同様に、前回が5.90%でしたので、0.3%程度高くなっています。名古屋市は、前回7.30%でで、今回は+1.6%となっています。福岡市は、前回が7.78%で、0.6%程度のプラスとなっています。
このように4大都市圏全てで、レジデンスキャップレートは高くなっており、(賃料に変化がない前提では、コンパクト物件の価格の落ち着きが見られると言えるでしょう。


ファミリー物件(40㎡以上)

ファミリー物件のレジデンスキャップレートは、最も高い札幌市で8.48%、最も低い東京23区で5.63%とその差は2%強となり、コンパクト物件の最高値と最低値の差が6.16%ですので、半分以下となっています。
東京23区のファミリーは5.63%で前回5.89%に比べて、-0.26%。東京23区のファミリーとコンパクト合わせたトータルは5.78%で前回5.94%に比べ-0.16%となっています。
大阪市のファミリーは6.41%で前回6.46%に比べて-0.03%、トータルでは6.38%で前回6.40%に比べて-0.2%となりました。
名古屋市は、6.97%で前回7.93%に比べ-1%、トータルでは7.11%で前回7.92に比べ、-0.8%となっており4大都市で唯一、ファミリー・トータルともにマイナスとなりました。
福岡市は6.94%で前回7.07%に比べて-1.3%、トータルでは7.20%で前回7.17%に比べて-0.03%となりました。
年初から春にかけての繁忙期ということも影響してか、上記で示したように、大都市においては、軒並みキャップレートが低下していることから、価格の上昇基調がまだ止まっていないことがうかがえます。

※ご注意
なお、本データは、マンションリサーチ社のデータをもとにマンションリサーチ総合研究所が算出しました。また、本データにおける錯誤等の責は負いかねます。
【お問い合わせ先】
マンションリサーチ株式会社
マンションリサーチ総合研究所運営事務局
〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目2番11号 エイム東京九段ビル3階
info@mansionresearch.co.jp

この記事を書いた人

吉崎 誠二
不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産研究所 理事長 
吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。
㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(2016年2月)「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。
公式サイト:http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:http://www.hr-i.jp/


2017年4月7日
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