マンションリサーチ総合研究所

マンションリサーチ総合研究所 レジデンスキャップレート調査

2016年9月発表 【マンションリサーチ総合研究所 レジデンスキャップレート調査】

調査主体
マンションリサーチ株式会社 代表取締役 山田敏碁
不動産エコノミスト 吉崎誠二 他

調査データ
東京都23区/名古屋市/大阪市/福岡市 売出事例棟データ38,871棟

第一回 レジデンスキャップレート調査

マンションリサーチ総合研究所の新しい試みとして、このたびレジデンスキャップレートを算出し、試験的に公表致します。

キャップレートは、Capitalization Rateを略したもので、「還元利回り」とも呼ばれています。2000年代初めに改定された不動産鑑定評価基準によれば、「還元利回りは、直接還元法の収益価格およびDCF法の復帰価格の算定において、一期間の純収益から対象不動産の価格を求める際に使用される率であり、将来の収益に影響を与える要因の変動予測と予測に伴う不確実性を含むものである」とされています。つまり、キャップレートは不動産から生み出される純収益から不動産価格を求める際に用いられる利回りで、一般的には【純収益÷キャップレート=不動産価格】として表されます。

キャップレートは、投資家の期待する投資利回りとも言いあらわらすことができます。投資用の不動産価格の算出においては、上記収益還元法を用いるのが一般的となった昨今において、キャップレートの動きは、不動産価格を決める重要な基準となっています。

キャップレートの算出方法は、いくつかありますが、「不動産投資家へのアンケート調査」が一般的なようです。「○○エリアの○○(オフィス・レジデンス・・・)のキャップレートはどれくらいを想定して、投資されていますか?」というアンケートを、プロの不動産投資家(例えば、JREIT、金融機関、不動産会社など)へ問いかけて算出する手法が一般的です。また、アンケート調査は年2回という頻度が定番のようです。

今回、マンションリサーチ総合研究所は、東京23区、大阪市、名古屋市、福岡市における、マンション(分譲マンション)に特化した投資利回り水準を試験的に算出し、順次公表していくことになりました。

本調査の算出方法としては、下記のとおりです。

マンションナビが保有する、現在の分譲マンションの価格(応募価格)と、該当マンションを賃貸として貸し出した時の賃料をもとに算出(※算出方法は後述)する、速報的なキャップレート。

速報値は2か月単位で算出します。ここで得られたデータは、「レジデンスキャップレート」として公開してまいります。
(調査時点 2016年7月)

【第一回 レジデンスキャップレート調査】

レジデンスキャップレート マンションナビの保有データを使用します。このデータは応募されている分譲マンションのデータを集計し分析を行い、週1回以上の更新を行っています。応募価格と、該当物件の賃料を掲載。(https://t23m-navi.jp/)

・スタート時の算出(公開)エリア、東京23区、大阪市、名古屋市、福岡市。

・算出方法は、キャップレートを逆算する形で、つまり(賃料×12)÷成約価格(※A)で求めます。

※A 応募価格と実際の成約価格には、5%程度の開きがあると想定されるので、応募価格×0.95を想定成約価格とします。

・マンションの売買応募価格があまりに高いものや安いものは、上位下位3%を調査対象から外した。また上記※Aで算出した数値においても、上位下位3%は削除しました。

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東京23区:
ワンルーム、ファミリーを合わせたレジデンスキャップレートは5.6%。ワンルームのみでは5.98%、ファミリーのみでは5.57%とワンルームの方が高い結果とな りました。東京23区の総データ数26,146棟、そのうちワンルームは4,355棟、ファミリ ー向けは、21,791棟とワンルームの募集物件は16.7%となりました。

名古屋市:
名古屋市は16区から構成されています。ワンルーム、ファミリーを合わせたレジデンスキャップ レートは8.0%。ワンルームのみでは7.94%、ファミリーのみでは8.03%とタイプ別ではほとんど変わらない結果となりました。名古屋市の総データ数4,676棟、そのうちワンルームは130棟、ファミリー向けは4,546棟とワンルームの募集物件の割合は2.8%と非常に少ない状況です。

大阪市:
大阪市は24区から構成されています。ワンルーム、ファミリーを合わせたレジデンスキャップレートは6.2%。ワンルームのみでは5.76%、ファミリーのみでは6.23%と0.5%近い差がつきました。大阪市の総データ数4,262棟、そのうちワンルームは403棟、ファミリー向けは、3,859棟とワンルームの募集物件の割合は9.5%となりました。

福岡市:
福岡市は7区から構成されています。ワンルーム、ファミリーを合わせたレジデンスキャップレートは6.93%と名古屋よりも低い値となりました。ワンルームのみでは7.51%、ファミリーのみでは6.83%とタイプ別での格差が大きな結果となりました。福岡市の総データ数3,787棟、そのうちワンルームは535棟、ファミリー向けは、3,252棟とワンルームの募集物件の割合は14.1%と東京23区についで2番目に多くなっています。

※ご注意
なお、本データは、マンションリサーチ社のデータをもとにマンションリサーチ総合研究所が算出しました。また、本データにおける錯誤等の責は負いかねます。

【お問い合わせ先】
マンションリサーチ株式会社
マンションリサーチ総合研究所運営事務局
〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目2番11号 エイム東京九段ビル3階
info@mansionresearch.co.jp

この記事を書いた人

吉崎 誠二
不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産研究所 理事長 
吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。
㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(2016年2月)「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。
公式サイト:http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:http://www.hr-i.jp/


2016年9月14日
レポート