次にエリアを拡大し、都心五区に加えてマンション購入エリアとして人気のある目黒区、品川区、世田谷区、大田区を加えて分析してみよう。

(図1)区別 地価公示と売買平米単価の比較

(図1)区別 地価公示と売買平米単価の比較

図1は、縦軸にマンション売買平米単価(2016年2月時の相場価格)、横軸は公示地価(2015年1月1日付け※)を取ったものだ。

二つの間の相関係数はR2=0.43であるから、やや相関ありという状況だ。マンション価格はその場所の地価にかなり大きな影響を受けるように思えるが、それほどでも内容だ。右下にあれば、ざっくり言うと、「区の単位で、地価が高い割には、マンション価格は高くない」と言える。

個別に特徴的な区を見てみると、中央区は日本一高額な地価地点である銀座があり地価は高いが、一方、住宅街として高級ブランドエリアと呼ばれている場所は少ない。銀座の南の湾岸エリアにいくつかのタワーマンションが人気なくらいだろうか。そのため、図中の斜線よりも大きく右下にある。

同じようなことは新宿区においても言える。超高層オフィスビルに加え、大きく広がる商業地域があるが、それほど目立った高級住宅エリアがない。そのため、大きく右下にある。

その逆に左上にあるのが、港区だ。港区は居住エリアとしてのブランド力は最も高い。エリア別の賃貸住宅の賃料も最も高いエリアである。虎ノ門・赤坂などにオフィス街が広がるが、それほど広くない。

最後にバランス型は渋谷区だろう。高級住宅地を擁しながら商業施設もあり、最近では高層ビルが次々と建ち、オフィス街の様相も出ている。渋谷駅周辺の開発は今後10年以上も続くようで、ますます活気が出てくるとともに、住宅地としての渋谷区の人気はさらに高まるだろうと予測できる。

※本連載執筆時の公示地価の最新データ(公示地価は、毎年4月にその年の1月1日時点分を発表)

吉崎 誠二氏
吉崎 誠二氏
  不動産エコノミスト 社団法人 住宅・不動産研究所 理事長   不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションを行う傍ら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ 主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

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