マンションリサーチ総合研究所

【第44回】マンションにおける都心5区

日本の首都東京。その中心にあるのは、戦前には東京市と呼ばれた東京特別区(23区)だ。その23区の中で最も不動産価格が高いのが、都心五区と呼ばれるエリアだ。千代田区、中央区、港区、渋谷区、新宿区がこれにあたる。

このエリアは、ビジネス地域(オフィス街)、商業地域としての役割を担う一方、日本の最高級住宅街としての役割を担っている。都心五区の有名な住宅エリアを列挙してみると、皇居のある千代田区は番町、麹町。千代田区の東に隣接する中央区では、湾岸エリア。港区では青山・麻布・赤坂という通称3Aエリアに加えて高輪・白金エリアもこの区にある。渋谷区は広尾、松濤、代官山、代々木上原など高級エリアが多い。最後に新宿区では早稲田エリアくらいが目立つくらいで、あまり高級住宅街のイメージは少ない。

マンションリサーチが保有する中古マンション応募価格データでこれを見てみよう。東京都心の平均応募価格(㎡単価)を並べると、図1のようになる。

(図1)地名別 売買平米単価(上位20) 

(図1)地名別 売買平米単価(上位20) 

図1をみればわかるように、20位まではすべて都心五区のうち、新宿区、中央区を除いた3区となっている。また、年数の経った物件も多く含まれているにもかかわらず、平米単価100万円(坪換算330万円)前後とかなりの高額エリアである。1位と7位の2地区は隣接した場所で、渋谷駅から代官山本面の小高い丘陵エリアだ。千代田区の番町アドレスは、3位(四番町)、13位(三番町)、20位(二番町)となっており、その地位(ぢぐらい)の高さがうかがえる。

都心三区は港区、中央区、千代田区を指し、都心五区はそれに渋谷区と新宿区を加えたものであるが、不動産を主にオフィスや商業の観点から見てのものだ。マンション価格ではランクインしなかった新宿区であるが、超高層オフィス街が君臨し、日本最大のターミナル新宿周辺には巨大な商業施設が立ち並ぶんでいる。中央区も日本一の商業エリアである銀座を擁している。こうして考えると、マンションにおける都心3区は港区・渋谷区・千代田区となり、湾岸エリアの台頭が著しい中央区(あるいは江東区)、人気のある城南エリアの目黒区などが加わってマンション都心5区と言っていいのかもしれない。

この記事を書いた人

吉崎 誠二
不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産研究所 理事長 
吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。
㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(2016年2月)「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。
公式サイト:http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:http://www.hr-i.jp/


2016年2月29日
レポート