マンションリサーチ総合研究所

【第42回】日本で5番目の大都市札幌の人口流入とマンション価格上昇

新しい年を迎えた。今年の冬は暖冬ということで、ニュースでは「福井では観測史上、最も早く梅の花が咲きました」という報道が聞こえてきた。しかし、油断はできない。こうした寒暖差の大きいな冬は、体調を崩しやすいので注意が必要だ。

マンションリサーチ総研の2016年第1回目は、冬のイメージがピッタリの札幌市のマンション市場を考察してみたい。

札幌のマンション市況の活況ぶりが聞こえてくる。国土交通省が発表する住宅価格指数を見てみると、北海道地方の不動産価格(マンション)は147.7(2010年平均=100)となっており、2010年に比べて約1.5倍になっている。北海道のマンションの多くが札幌市にあると考えられる。
関東地方の平均が121、東京都が124.6であるから、その高騰ぶりがうかがえる。(国土交通省発表資料:2015年9月分の指数、2015年12月24日公開分)

札幌は幕末に幕府の直轄地となって、その街の歴史をスタートさせた。街が飛躍的に発展するのは、開拓使が設置されてからだ。それから、札幌市は北海道の中心地として大きく発展する。2015年末の人口は194万人。政令指定都市(含む東京23区)の中では、東京23区、横浜市、大阪市、名古屋市に次いで、5番目に人口が多い街だ。経済・商業括りでは、東京(横浜)、大阪、愛知、福岡の4大都市というが、福岡市の人口は153万人7番目で、札幌の方が人口がだいぶ多いのだ。

札幌の人口は増え続けており、2000年182万人で15年間で6.6%も増えた。
その理由として、札幌は日本を代表する人口流入都市ということがあげられる。

(図1)政令指定都市における転入者数と人口

人口対流入人口で見ると、福岡・東京・札幌の順で割合が多いのだ。このペースでいくと、あと5年以内には日本で5つ目の200万人超えの街となる。

さて、札幌のマンション価格高騰であるが、いくつかの要因が考えられる。全国的なマンション価格の高騰に加えて、人口流入者増が続いていること。新築分譲マンション価格が、人件費高騰・資材減価高騰などにより高くなっていることが考えられる。

流入者の多くは始めは賃貸住宅に住むが、その後定住化すれば住宅購入へとつながる。札幌市の人口流入の多さは、いまに始まったことではなく、1970年代から続いており、札幌は北海道のリトルトーキョーと化している。

(図2)年齢別 札幌市の転入超過数

また、流入人口の年代別に見ると大学進学年代、就労年代が多いのは全国の大都市の共通だが、意外に50代60代が多いのが特徴だ。

札幌の人口流入は続く。それは、今後もマンション価格はアップダウンを繰り返しながら、長期トレンドでは確実に価格上昇するということを意味している。

この記事を書いた人

吉崎 誠二
不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産研究所 理事長 
吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。
㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(2016年2月)「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。
公式サイト:http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:http://www.hr-i.jp/


2016年1月28日
レポート