マンションリサーチ総合研究所

【第37回】阪神間のマンション市況を分析

阪神エリアは関西の中で最も居住人気の高いエリアだと言われている。

関西を代表する高級住宅街の多くもこのエリアに存在している。芦屋麓麓荘、苦楽園、御影山手、六甲・・。大阪~神戸間の鉄道は海側から阪神電鉄、JR、そして最も山手を通るのが阪急電鉄だ。その阪急神戸線の沿線に高級住宅街が広がっている。夙川駅~王子公園駅の山側からは、大阪湾が一望でき利便性と景色の良さが人気の所以だろう。
特に岡本駅~王子公園駅間は山手エリアというよりも山麓エリアというべきところで、六甲山の山麓深くにマンション・戸建て住宅が存在している。最寄り駅から徒歩で行き来するのは不可能に近く、バスや車での移動となる。

ここでの阪神間は、神戸市を中心に西宮・芦屋でのデータを用いて分析を行うこととした。

阪神間 京都府 マンションの各種平均の比較

(図1)阪神間 京都府 マンションの各種平均の比較

大阪への通勤客が多いという前提で、第36回の京都エリアと阪神間エリアを比較してみた。
ともに、駅からバス移動が多いと予想していたのだが、駅からの平均は7~8分と地下鉄・私鉄が網の目のように張り巡られている東京23区と変わりがない。

駅からの徒歩時間と平均単価の関係を見てみると、図4のようになる。

徒歩時間×売買平均平米単価(阪神間)

(図2)徒歩時間×売買平均平米単価(阪神間)

相関を示すR2=0.79となり、大都市圏内では低い数字となっている。山麓エリアに物件が広く存在していることと、このエリアにはブランド地域が点在しているからだろう。

一方、築年数と売買平均単価の関係を見ると、図5のようになる。

201510-02-03

(図3)築年×売買平均平米単価(阪神間)

こちらの相関は、R2=0.88となっており、築年と平均売買単価は強く関係性があることがわかる。

注目すべきは、1988~1993年の低調ぶりで、バブル前後の物件はかなり他の時代に比べて低く評価されている。
実はこの傾向は、京都でも見られる。第36回の図2を見ていただくと、こちらは、1987~1993年あたりが低評価の時期だ。
バブル期に買った方々は、かなり高値でマンションを購入して大きく損をした上に、これらエリアではほかの世代のマンションに比べて相対的に低い中古価格を付けられているのだ。この理由分析は、こんご行いたいが、仮説とすれば、おそらく供給戸数が圧倒的に多かった時期なので、中古マンションとしての流通量が多く、需給バランスから価格低下を招いているのだろうと思われる。

この記事を書いた人

吉崎 誠二
不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産研究所 理事長 
吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。
㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(2016年2月)「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。
公式サイト:http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:http://www.hr-i.jp/


2015年10月13日
レポート