マンションリサーチ総合研究所

【第36回】京都のマンション市況分析~京都のマンション熱狂はまだまだ続く~

外国人旅行客が2000万人を超える勢いで来日している。東京オリンピックまでにはこの数は倍増することだろう。外国人旅行客にもっとも著名な観光スポットといえば、世界遺産が多くある京都だ。京都は、いにしえの日本風情がウケているのだろう。

京都は、土地が狭く、また景観保護の観点からの開発規制、高さ制限など公的・私的(自主的)な規制をかけ守っている。そうしたことから、狭い町にぎっしりと低い建物が並んでいる。
マンション数は人口の割にあまり多くなく、何度か触れたマンション化率も100万人を超える政令指定都市の中で最低の15%だ(2015年東京カンテイ)

しかし、マンションの人気が低いというわけではなく、主要大通り等に建設される新築マンションの売れ行きは大変好調だ。
東京都心に宅配される経済紙にも適度な頻度で新築マンション広告のチラシが折り込まれている。ファミリータイプの著名デベロッパーが販売する高級マンションだ。京都のマンションは購入者がそのまま住む実需要だけでなく、希少価値の高い京都のマンションを購入して値上がり期待と数が少ない高級マンション賃貸物件として貸し出すことで高利回りの実現期待を狙っているのだろう。

マンションリサーチ社が持っている京都市内の販売中物件のデータを分析してみた。
売買の平均単価は約39万円/平米、これは阪神エリアの約26万円を大きく上回る。また分譲マンションの平米当たりの平均想定賃料は、1900円となっている。これも阪神間エリアの約1600円よりも随分高い。
ちなみに、駅からの平均徒歩時間は7分で、市内には縦横の2本の地下鉄しかなく、バスでの移動が中心な街である京都のイメージとはかけ離れた結果だった。縦の地下鉄烏丸線と横の東西線の沿線近くに分譲マンションが多いということともいえそうだ。そのため、駅からの徒歩時間と売買平均単価の関係を示したグラフでは、きれいな右下がりのグラフになっている(R2=0.88)。

徒歩時間×売買平均平米単価(京都)

(図1)徒歩時間×売買平均平米単価(京都)

また、築年数と売買平均単価の関係を見てみると、こちらもきれいな直線が描かれている。R2=0.9を超えているので限りなく関係性が高いということで、東京23区、名古屋、大阪、阪神間のどのエリアよりも関係が強かった(相関があった)。

築年×売買平均平米単価(京都)

(図2)築年×売買平均平米単価(京都)

京都においては、古い民家は改装していい風合いが出るためか大人気で意外に高いく売買されているようだが、築年数の経った古いマンションはそれなりの評価しかされないということだろう。

この記事を書いた人

吉崎 誠二
不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産研究所 理事長 
吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。
㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(2016年2月)「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。
公式サイト:http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:http://www.hr-i.jp/


2015年10月13日
レポート