マンションリサーチ総合研究所

【第33回】タワーマンションの修繕は大丈夫なのか

タワーマンションが東京都心に増え始めたのが、2000年を過ぎたころからだ。東京湾岸エリアに次々に建てられ湾岸戦争といわれたのが、2003~2006年ごろ。それから間もなく15年が経過する。そろそろ、大規模な修繕が行われる頃だ。

TVでも、放映されていたが、1999年に建てられた50階を超える超高層マンションが大規模修繕を行っており、業界内外から注目を集めている。
日本で初めての超高層マンションの大規模修繕であるから、施工を行う会社にもノウハウはもちろんなく、手探りで行っていることだろう。このマンション(管理組合)では、某スーパーゼネコンの大規模修繕専門子会社に発注したようだ。

修繕費用はどれくらいかかるのだろうか?修繕積立は十分足りているのだろうか?などと老婆心ながら思ってしまう。
分譲マンションの修繕積立は、管理会社が計画したシュミレーションにもとづき、入居時の一時金と毎月の積立金の合計となっている。この計画が甘いと、「足りない」となってしまう。

しかし、タワーマンションの場合、そもそもそうした実例がなく、「おそらく、これくらいだろう」、という計画かもしれない。「少し、多めに積立金を徴収すれば、住戸数も多いから大丈夫だろう」とも思えるが、果たしてどうなのだろうか?

また、こんな噂も聞こえてくる。タワーマンションの建設の多くはスーパーゼネコンやそれに準ずるゼネコンが行っているが、それらの企業が昨今の景気回復や東京オリンピックによる建設ラッシュ、東日本大震災の復興事業などで余力があまりなく、見積もり依頼しても、断っているという話だ。 築年数から考えると、これから一気にタワーマンションの修繕工事は増えてくるだろう。オフィスビルの建設も遅れているという。さて、どうなるか、心配だ。

この記事を書いた人

吉崎 誠二
不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産研究所 理事長 
吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。
㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(2016年2月)「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。
公式サイト:http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:http://www.hr-i.jp/


2015年8月20日
レポート