マンションリサーチ総合研究所

【第30回】タワーマンション分析シリーズ①【タワーマンション人気と、これからの予測】

タワーマンシンと呼ばれる超高層マンションの口火を切ったのは川口にあるエルザタワーであろう。
それは、今から17年くらい前(1998年)に建てられた。新幹線で東京から新潟・東北方面に向けて進行中、荒川鉄橋を過ぎたあたりの右手に55階建てのそびえたつようなマンションを見たときは、その高さに驚いた。

その後、湾岸ブームと呼ばれた2003~2005年ごろ、東京品川~汐留エリアの湾岸と、沖合の埋め立て地である台場、有明、豊洲などにタワーマンションが次々に建てられた。沖合埋め立て湾岸エリアにおいては、現在もどんどんタワーマンションが建てられている。さらに、2013年秋に「2020年東京オリンピック」が決まると、選手村などの施設建設が予定されている豊洲、有明、東雲周辺では、それを見越しての値上がり期待からか、タワーマンション建設が加速し、そのモデルルームは連日にぎわいを見せている。

タワーマンションの明確な定義はないが、概ね20階以上のマンションをイメージする方が多いだろう。
タワーマンションの人気は、根強い。かくいう、著者も2001年に初めてマンションを購入した際はタワーマンションの21階の部屋を購入した。

タワーマンションの人気は、湾岸エリアに代表されるように、景色の良さと、利便性の良い立地、そして、1棟あたりの部屋数が多いため、立地の割の安さなどがあげられる。2000年代前半のブームの時は都心回帰志向の高まりが湾岸開発と相まって空前のブームになったが、最近では、以下のようなことが人気に拍車をかけている。

①固定資産評価額と実勢価格の大きな乖離

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4つの土地の価格(大都市)

最近では、「タワーマンション節税」という言葉もあるようだ。タワーマンションの高層階においては、実際に取引される価格は、低層階に比べて平米単価換算でかなり高い。
しかし、固定資産税の評価は、その実勢価格の差ほど大きくなり、固定資産税を低く抑えることができるのだ。

②アジア圏富裕層の購入
2013年から続いている円安は、ドルなどの通貨基軸で考えると実質不動産価格の値下がりということだ。さらに、アジア圏での富裕層の増加。彼らが日本の不動産の安定性を鑑みて購入しているようだ。

ここ15年の間に、比較的近いエリアに一気に建てられたタワーマンション。分譲マンションにおいては、環境の変化などが要因で、10年~15年くらい経つと「中古マンション」として売りに出される。一気に建ったということは、もう少しすると一気に中古マンションが売りに出されるということだ。需要と供給のバランスが整っているときはいいが、需要が供給を下回ると、価格は下落する。
その時は、いつか?2022年くらいと予想している人もいるようだが、2020年より前、私はそう遠くない将来だと予測している。投資用で買っている方の「売り時」はそろそろかもしれない。

この記事を書いた人

吉崎 誠二
不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産研究所 理事長 
吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。
㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(2016年2月)「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。
公式サイト:http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:http://www.hr-i.jp/


2015年7月31日
レポート