マンションリサーチ総合研究所

【第29回】賃貸マンションが割高なエリアはどこか?分譲マンションを売って貸す方が有利なエリアがある?

前回の続きとして賃貸マンションと中古分譲マンション購入のどっちが得かを、さらに深めて検討したい。

都心部におけるマンション価格高騰に伴い、所有する分譲マンションを売却し、近くの賃貸マンションに引っ越す方も増えているようだ。都心の一等地において、築5~10年クラスの分譲マンションでは、購入時価格よりもいくぶん高く売れ、ローンを完済しても十分なプラスがでることも珍しくない。

さらに都心の一等地においては、分譲マンションを賃貸する時の賃料はそれ程高くなっていない。こうしたこともあり、売って、賃貸へ乗り換える方が増えているようだ。

都心5区マンションデータ全体像 各項目平均値の比較

駅名別 売買価格と賃料の比較全体像

【図1】駅名別 売買価格と賃料の比較全体像

【図1】は前回も掲載した図であるが、東京都心の主要駅別の賃料と中古マンションそれぞれの㎡単価をプロットしたものだ。

斜めに引かれたラインよりも左が賃貸割高=分譲マンションの方がお得なエリアで、右下はその逆と言える。(もちろん、最寄り駅別の平均なので、個々の物件では、異なる場合がある)

左上のゾーンは賃貸割高エリアで、銀座、渋谷、新宿西口、西武新宿、都庁前といった繁華街が多い。そして、御成門、芝公園、赤羽橋といった東京タワー近隣エリアが該当している。

繁華街近くのマンションは夜の世界に勤務する方が多そうで、賃料も高いイメージがある。そして、やはり東京のシンボル東京タワーが見える物件は割高ということなのだろうか。

駅名別 売買価格と賃料の比較(左上ゾーン)

駅名別 売買価格と賃料の比較(左上ゾーン)

右下エリア、賃料割安=分譲割高エリアは、品川五反田、天王洲アイル、台場といったタワーマンションが多く存在するエリアと日本橋周辺が該当している。タワーマンションの高層階は、いうまでも平米単価に換算すると割高だ。

一方、タワーマンションの低層階はタワーマンション再開発の際に土地を提供した地権者が所有する分譲マンションを賃貸として貸し出しているケースが目立つ。高層階では景色のいいタワーマンションでもその低層階では、高い賃料は取れないという事なのだろう。

駅名別 売買価格と賃料の比較(右下ゾーン)

駅名別 売買価格と賃料の比較(右下ゾーン)

この記事を書いた人

吉崎 誠二
不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産研究所 理事長 
吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。
㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(2016年2月)「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。
公式サイト:http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:http://www.hr-i.jp/


2015年7月14日
レポート