マンションリサーチ総合研究所

【第25回】国土交通省発表の「不動産価格指数」とマンションリサーチ総研にできること

【第24回】の不動産価格指数(住宅)は、住宅総合、住宅地(=住宅用土地に近い)、戸建住宅、マンションの4つの指数が算出されている。
また、これらの公開数字は、全都道府県別ではなく、(中国地方、九州地方・・)といった地方別と南関東、京阪神、名古屋圏の3大都市圏そして、東京・大阪・愛知というように分かれていだ。
首都圏のマンションは2012年夏ごろから値上がり傾向を見せ、2013年に入ると大きく値上がりした。その兆候は2年たった今でも続いている。
国土交通省が3月25日に発表した(最新として、2014年12月分を発表)、不動産価格指数(住宅)では、2010年を100とすると、全国のマンションは115.8で前年同月比4ポイントも上昇している。この上昇は2013年3月から22か月の連続増となった。東京に限ると、114.7で前年同月比4.9ポイントの上昇だ。 少々、地域・エリアの区別が分かりにくいと思う。

同じような指標としては、アメリカのS&Pケースシラー指数と同じ算出方法を用いている不動研住宅価格指数(2014年末までは東京証券取引所が公表していた東証住宅価格指数を引き継いだもの)がある。
こちらは、住宅価格の全体感をつかむ指標ということだが、データ算出のために用いられているのは、中古マンションの売買実績(売買成立したもの)であるから、実質マンション指数とも言える。

こちらの指数は、首都圏のみで、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県とこれらをまとめた首都圏総合の5つだ。この指数を見ると、2015年3月末発表データ(2015年1月分。2か月遅れで公表される)では、東京都は前年同月対比では、約+6%程度であったものの、前月からは-0.58%となった。千葉県でも-0.7%、神奈川県に至っては2か月連続でマイナスとなっている。国土交通省算出の「不動産価格指数」とは、やや異なる傾向のようだ。
なぜ、異なるのか? を分析するには、かなりの突っ込んだ論理が必要だと思う。

しかし、第21回の原稿でグラフを用いて説明したように、マンションリサーチ社が保有するデータを基に算出した東京23区区別の実際のマンション売り出し価格をみても、区において経年からの価格変動にはかなりのバラツキがある。これらを加味すると、東京都や神奈川県、関西圏のようなところでは都道府県単位で見るのではなく、もう少し小さな単位で見る方がいいと思える。

こうした点を補完するようなデータをマンションリサーチ総研では提供していきたいと思う。

この記事を書いた人

吉崎 誠二
不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産研究所 理事長 
吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。
㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(2016年2月)「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。
公式サイト:http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:http://www.hr-i.jp/


2015年4月15日
レポート