マンションリサーチ総合研究所

【第20回】東京23区 どの区に存在するマンションが経年しても値段が下がりにくいか?③ ~港区の希少性~

今回は、前回(【第18回】東京23区 どの区に存在するマンションが経年しても値段が下がりにくいか?①)の内容をより深く掘り下げた内容をお届けしたい。

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図1は、東京23区の住宅地として主要な5区(港区、渋谷区、千代田区、中央区、目黒区)における、経年(築経過年数)売り出し価格について比較したグラフだ。 縦軸が現在売りに出ている物件の募集価格(2014年12月時点)の平米あたりの単価、横軸が竣工年(つまり、右に行くほど古い物件)を5年刻みで表している。

一般的に分譲マンションにおいては築年数が経過すると、それに応じて価格が下落する。築5年の物件と築20年の物件では、当然築5年の物件が高い。RCマンションの減価償却は47年で計算するルールだから、中古物件として売却査定を依頼するとその傾向は顕著だ。
しかし、物件価格はそれだけでは決まらない。希少性が高く、評判のいい、ヴィンテージマンション等においては、かなり古い物件でも、相応の値段がついている。

図1を見ると、おおかた右下がりの直線なのだが、時々「おやっ」と思える箇所がある。それを赤い点線(3か所)で示した。
港区の1986‐90年、1991‐95年地点、渋谷区の1981‐85年地点の、中央区の1991‐95年地点あたりが右下がり直線から外れて高い値を示している。

渋谷区の1981‐85年地点が高い値を示しているのは、このころに竣工した戸数の多い著名なヴィンテージマンションが存在しているからだと推測できる。
港区では、このグラフ上に1つしか赤枠をつけなかったが、多くの年次で赤枠をつけてもいいと思える。それくらい、経過年数に伴う下落は、単調ではない。このエリアの希少性がよくわかる。

この記事を書いた人

吉崎 誠二
不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産研究所 理事長 
吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。
㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(2016年2月)「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。
公式サイト:http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:http://www.hr-i.jp/


2015年2月12日
レポート