マンションリサーチ総合研究所

【第14回】首都圏中古マンションの価格はピーク?

今回のコラムは、時事的な話題をお届けしたい。

新築マンション価格が高騰している。原材料費の高騰、地価上昇に伴うマンション用地の仕入れ価格の上昇、さらには労働人件費の上昇などが重なり、かなりの高値となっている。

新築マンションの価格設定は、その性質上こうした原価を積み上げて、そこに販促費などの経費、利益を上乗せしてはじき出すから、現状のように原価がかかっているときには、どうしても割高感が出てしまう。とはいえ、プレミアムが付くような超1等立地や人気の立地ならば、強気の価格でも完売できるであろうが、そうでない物件の場合は、販売苦戦が予想される。

そこで、マンションディデロッパーも、「販売時期をずらそうかな」という検討をする。昨今の首都圏における新築マンション供給戸数の減少の一因にはこうした状況があると考えられる。

このような状況下になると、顧客は新築マンションから中古マンションに目を向け始める。

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図⑦は2011年以降の首都圏における中古マンションの成約状況(戸数)と、㎡単価の推移をグラフ化したものだ。(データはレインズ東日本)

これをみると、成約戸数(売買が成立した戸数)は、2013年の初めごろから増え始めていることが、わかる。この傾向は、2014年春ごろまで続いていたが、ここにきてややブレーキがかかっている。このブレーキが一時的なものなのかは、様子を見なければならない。

一方、成約㎡単価に至っては、はっきりと2012年の秋ごろから上昇しているのが見て取れる。

高額物件の取引が盛に行われていること、売り主が強気の価格提示をしていること、買い主の購買意欲が高いこと、などがあげられる。さらに、首都圏でマンション供給が稀に見る増えた時期である2000年~2008年に建てられたマンションが築5~10年目を迎え、築浅高性能物件が売り時期を迎えているからだろう。いま、首都圏の中古マンションは、高値で取引されているようだ。

こうした状況を鑑みると、近く売却を考えている方にとっては、「売るにはいい時期にある」

と言っていいだろう。

この記事を書いた人

吉崎 誠二
不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産研究所 理事長 
吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。
㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(2016年2月)「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。
公式サイト:http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:http://www.hr-i.jp/


2014年11月21日
レポート