マンションリサーチ総合研究所

【第8回】北摂・阪神地区の分譲マンション ② 築年数と販売価格~東京と阪神間での鮮明な違い~

図②、③は築年数と現在売りに出されている物件の㎡単価との関係を示したものだ。図③がこれまで何度か情報提供した東京23区のデータ、そして図②は阪神間エリアのマンションデータである。

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図2

図3

図3

これを見ると2つに違いがあることがはっきりと見える。
グラフの右上の数字に注目していただきたい。この数字は、先の記事で説明した、相関係数を2乗した数字=寄与率(R2)だ。

東京23区は0.754、阪神エリアは、0.902と、ともに強い関係があるとされる0.7以上の数字を示しているが、その差は、0.15ポイントもある。
中古マンションの販売価格(売出価格)は、一般的に築年数が古くなれば㎡あたりの価格も下がる傾向にある。新しければ高い価格で売られるということは、ある意味当然だ。しかし、中古マンションの売出価格の設定は、それだけでは決まらない。
立地はどうなのか
そのエリアでの希少性はどうなのか
駅からの距離はどうか
なども㎡単価に影響を与えていることは間違いない。

R2の最高値は1(-1)だから、阪神間の0.902という数字は極めて大きな数字で、これは築年数で㎡単価のあらかたが決まるという事を意味していると言っていいだろう。つまり、阪神間では、古い物件で好立地物件が少ないという事が予想される。また、立地、希少性が価格に反映されにくいとも言えるだろう。

一方、東京23区では、ラインを超える棒グラフが目立つ。古い物件でも、新しい物件でもラインを超える年が結構存在する。これは、東京23区内では、年数以外の要素、おそらく立地、希少性などが価格に多分に反映されているということになる。
広尾、麻布、白金、南青山などという低層地域に立つマンションなどでは、築10年を超える物件でも㎡単価100万円を超える物件は珍しくなく、こうしたいわゆるヴィンテージ的なマンションが存在しているからだろう。

関西の高級エリアと東京23区のマンション事情。こうした違いを知るのもおもしろいものだ。

この記事を書いた人

吉崎 誠二
不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産研究所 理事長 
吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。
㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(2016年2月)「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。
公式サイト:http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:http://www.hr-i.jp/


2014年8月7日
レポート