マンションリサーチ総合研究所

【第5回】東京23区分譲マンションの修繕積立金

修繕積立費用は、築年数が経つことに段階的に上がっていくものとされている。

将来、一定の費用がかかることが明確であるにもかかわらず、分譲マンションの修繕積立費は段階的に上がるパターンが多い。途中から急に値上がりして、「えっーっ」と慌てる方も多いようだ。

こんな例は以前からあることだから、新築時からある程度の費用を修繕積立費として集めておけばいいと思うのだが、そうもいかないらしい。売りやすい販売主の思惑だったり、管理会社の思惑だったり、と理由は複雑のようだ。

そこで、東京23区約26,000棟のマンションデータをもとに、築年数(建築年)と修繕積立費の関係を分析した。

スライド1

この金額は5年刻みでの平均値であり、また同じマンションでの比較ではないから一般的な傾向値としての金額と認識していただきたい。

築年が経過すると、だんだん㎡あたりの修繕積立費が上がる傾向であることがはっきりとしている。

築10年をすぎたころから、大きく増える。そして、築20年以降はほぼ横バイの金額であることがわかる。なお、平均は1㎡あたり167円だった。

5年刻みの平均値を比較すると、新築時と築25年では2.3倍くらいになる。

例えば、この表の一番下2011~15の89円/㎡で、70㎡ならば、6,230円。1986~1990の202円/㎡ 14,140円となり、家計への負担額はだいぶん違う。

ちなみに、統計データの寄与度(R)は0.599で、相関度合いはかなり高いと言える。

修繕積立費が20年を超えるとかなり高くなることは、中古物件として売りに出されているとして、不動産価格が同じ金額でも、実際に払う費用はかなり異なるということだ。こうした事も、築年数の経った中古マンションの流通が促進されない理由だと言える。

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この記事を書いた人

吉崎 誠二
不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産研究所 理事長 
吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。
㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(2016年2月)「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。
公式サイト:http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:http://www.hr-i.jp/


2014年7月1日
レポート