マンションリサーチ総合研究所

【第4回】東京23区分譲貸マンションの賃料分析 ② 築年数と賃料

1R投資マンションは、景気がよくなるといつも盛んになってくる。今回の景気上昇局面においても、2012年秋ごろから熱が高まり、東京都市部の主要地域(例えば、3Aと呼ばれる 青山・麻布・赤坂地域)では、投資用賃貸マンション(1R・DK・ファミリー)のCAPレートは、5%以下となっているようだ。
例えば、年間賃料100万円(経費の控除済み)の投資用賃貸マンションのCAPレートが1%下がると(例えば、5%→4%)、その値段は実質500万円値上がりしたということだ。

特に中古投資賃貸マンションを購入する方が気にするのが、築年数だ。
可能性の高まってきた地震を意識して耐震基準が変わった1981年より新しい物件がいいということは、もちろんだ。さらには、税効果を考えると、(RC物件は47年)新しい物件のほうがいい。

さらには、古い物件は空室が出やすく賃料も高く取れないと考える投資家も多いだろう。
しかし、今回のデータを見る限り、築年数を経ても賃料は極端に低くないことが見えてきた。
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東京23区26300棟の平均賃料と築年数の関係を分析したのがこのグラフだ。先のコラムで説明したように、このグラフのR2を見ると0.21と、ほとんど相関関係がないことがわかる。
全体の平均値は、築年数では1996年~2000年あたりで、築浅物件(2~3年)では、114%。一方、築30年くらいでも95%前後なので、平均よりも-5%程度だ。さらに、先に述べた耐震基準が変わる前(1981年以前、旧耐震基準物件)でも、95%程度となっている。
もちろん、古い物件は好立地にあることや、リフォーム物件も多く、駅からの距離も近いことが多いことも、要因であることは間違いない。しかし、全般的に見ても築年数の影響はそれほど大きくないことが分かる。

この記事を書いた人

吉崎 誠二
不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産研究所 理事長 
吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。
㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(2016年2月)「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。
公式サイト:http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:http://www.hr-i.jp/


2014年7月1日
レポート