増え続けるタワーマンションですが、これからどれくらい増えるのでしょうか?


東京都心は、一気に高層化が進んだ

東京都心は2000年代に入ったころから、高層ビル、高層(タワー)マンションが増えて、街の景色が一変しました。

1997年に容積率の緩和制度が導入されたことは、先回のコラムで書きました。また、都内主要都市での再開発が進んだのも2000年代に入ってからです。再開発の中には、六本木ヒルズのように長い期間をかけて実現されたものもありましたが、その多くは2000年代に入り、高層ビルや高層マンションに生まれ変わりました。

さらに、2000年代前半は、「持たざる経営」がもてはやされた時代でした。不要な不動産は持たない等、「オフバランスの推進」 こそが、これからの企業のあり方だ、みたいな風潮が広まりました。これにより、企業は、社宅や稼働率の低い工場用地の売却、あるいは工場そのものを地方都市に移し、そのあと跡地の売却などを進めます。これらの中にはかなり広い敷地面積のものもありました。そこにタワーマンションが建ったのです。このような2000年代前半の社会的な背景から、タワーマンションが増え始めました。

高層(タワー)マンションだけでなく、高層ビルも増えました。2002年に制度化された特例容積率適用区域制度(容積率移転、空中権売買)を適用しすることで、丸の内、大手町、有楽町エリアのビルが建て替えを行い、高層ビルが一気に増えました。

再開発がすすめられたこと、制度改正が行われたことなどから、東京の街の高層化が進んだ、と言っていいでしょう。

 

2008年からの10年間、どれくらいのタワーマンションが建ったのか?

超高層マンション竣工・計画戸数推移(東京23区)

(図1)超高層マンション竣工・計画戸数推移(東京23区)

 

図1は東京23区内に2008年以降に建てられたタワーマンションを示したものです。(不動産経済研究所調べ)ここでは、20階以上のマンションをタワーマンションとしています。
2008年~2017年の10年間に219棟、73,937戸(室)もあります。

2008年にリーマンショックが起こり、その後2010、2011年は少し減ります。また、2016年、17年も不動産市況が好調等の理由で、適地が減っていることもあって少なくなっています。しかし、10年間で平均20棟以上、7300戸以上というかなりの数のタワーマンションが毎年のように建てられていることが分かります。

 

今後、どのくらい増えるのか?

図1の右側に目をやると、今後の23区内でのタワーマンション建築の計画があります。2016年~2018年はやや少なめですが、2019年、2020年には、再び増える見通しとなっています。また、2022年以降もかなりの計画があることも分かります。

このように、タワーマンションはこれからもどんどん建てられる見込みです。都心一等地の再開発は、これからはそれほど多くない一方で、湾岸エリア、とくに東京湾埋め立て地エリアにはまだまだ、タワーマンションが建つことでしょう。

吉崎 誠二氏
吉崎 誠二氏
  不動産エコノミスト 社団法人 住宅・不動産研究所 理事長   不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションを行う傍ら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ 主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

1件の返信

  1. 2018年5月25日

    […] こちらの記事では、東京23区内に2008年以降に建てられたタワーマンションの数のグラフを示しましたが、今回はそのエリアを拡大し、首都圏(一都三県、東京、埼玉、千葉)に建てられ […]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。